建築工事を行う際には、もちろん設計図面は欠かせませんが、使用する材料・部品・設備・施工方法・仕上げの程度など、図面では表せない様々な内容を記載する書面が必要になります。この書面が、いわゆる「工事仕様書」になります。
建設工事に関するトラブルの発生を未然に防ぐために作成される工事仕様書は、工事担当者や施工業者との打ち合わせの際には、正に不可欠なものと言えるでしょう。
工事仕様書は、工事請負契約の際に提出される工事請負契約書に添付され、契約書の一部として利用されるだけでなく、建設許可を規定機関から得る際の申請用書類や建設会社独自の施工マニュアルとしても活用できます。
工事仕様書には、設計する建造物の品質を一定水準に保つために共通する基準を定めた「標準仕様書(共通仕様書)」と、共通の工事仕様書で定められていない項目や定められている事項と異なる項目に関し、共通仕様書を補完することを目的として工事固有の技術的要求や工事施工上の制約事項を定めた「特記仕様書」とがあります。
標準仕様書は、使用する各材料の規格・性能・寸法などの詳細のみならず、加工・組み立て・製作作業およびその検査方法などが記されるため、かなりの分量になります。
工事仕様書には、民間の建築会社や各自治体が独自に作成したものが用使用される場合があるものの、最も多く利用されているのは、国土交通省官房官庁営繕部が直轄事業で適用している「工事共通仕様書」の書式で、これは民間工事にも用いられています。
かつては書店などで、工事仕様書テンプレート・雛形などを購入する必要がありましたが、現在では、国土交通省や各自治体のサイトから無料でダウンロードすることができるようになりました。
工事仕様書雛形・テンプレート・フォーマット・様式のダウンロード先に関しては、当サイト内の情報をぜひご参照ください。